肉にまつわるエッセイ

私のローストビーフとの出会い

富士山の裾野で45年以上に渡り、食肉を業としてきた私の肉への思い。生き方、考え方、また裏話などを、時々にお伝えしたいと思い、投稿させていただきたいと思います。

学生の頃に読んだ新聞の記事に、ローストビーフの発祥はロンドンのレストラン、シンプソンズであり、イギリスの食べ方は薄く切り、一方アメリカはステーキの用に食べること、さらに、薄く食べることが上品であると記載してありました。

 

これが頭の中に残っていたこともあり、21才の時に高校時代の友人とヨーロッパ旅行にでかけた際に、ロンドンでローストビーフのシンプソンズへ行ってみたいと、友人とは別行動を取りました。

こんないきさつで、一人でシンプソンズに来訪してみたところ、なんと入店を断られてしまいました。ネクタイを着用していなかったからです。

店員に「ネクタイをしてきてください」と、言われ、

外に出て、ネクタイを売っている店を探し回り、着ていたポロシャツにネクタイを締め、やっと入店を許されました。

 

レストランのフロアーは広く、天井は高く、太い柱が何本も立ち、ローストビーフを注文してでてくるまでの緊張感は特別なものでありました。

ローストビーフが出てくると、厚さは中切り位であり、私達がいつも食べているローストビーフよりも少し火が入っていました。ローストビーフには、グレービーソース、ホースラディッシュ。そして、後でわかることですが、ヨークシャー・プディングがつけあわせとして出されました。

このようにして私は、憧れのローストビーフ発祥のシンプソンズの味を堪能しました。

 

時が経ち、さの萬では今こそ一般的になったローストビーフを約40年ほど前から商品開発し、販売を始めました。今では人気商品として成長した当店の主力商品のひとつです。

(写真はさの萬のローストビーフです)

—–

Online Store「ローストビーフ」一覧はこちら

You Might Also Like