25年前になります。
イタリア料理が人気となり、本物の生ハムを見たいと世界生ハム三大産地の一つ、イタリアパルマに出かけました。(生ハム三大産地とは、イタリア パルマのプロシュット、スペインのハモン、フランスのバイヨンヌ)イタリアの生ハムが日本に向けて輸出解禁となる2年前のことでした。
ミラノに到着してホテルに入ると、音楽家ベルディの肖像画が入り口に飾られていました。このホテルで食事をして、最初に出会ったのがクラツテロでした。ベルティの出身地はポー川沿いで、その生地周辺で作られているということでした。クラテッロは、豚の膀胱に豚のモモ肉を入れて、床にワインをかけながら熟成していきます。翌日はデリカテッセン イルサルマイヨに出かけました。店員に一番のおすすめを聞くと、豚の背脂の生ハム ラルドを勧められました。ホテルに戻り、ワインと一緒に食べ、旨味ととろける味わいは今でも忘れることができません。
夕食は、ピッコロというレストランに行き、盛りだくさんの生ハムが出てきました。「どちらの生ハムですか?」と聞くと、サンダニエーレとのこと。色合いの美しさ、香りとフレッシュ感がとってもすばらしい、生ハムを楽しませていただきました。
日本人でミラノスカラ座に携わっているという方に案内役をお願いして、翌朝早出をしてパルマに向かいます。パルマの生ハム工場では、いよいよ生ハムづくりの体験です。
日本の豚骨付きモモの1.5倍位の大きさで、チーズを作ったあとに出るホエイを食べさせているという豚骨付きもモモに、塩を刷り込み、塩をなめてみると、ミネラルたっぷりの甘味のある塩で、シチリア産の海塩を使っているということでした。そして、熟成室に入ると、何千本もある生ハムが何列にもずらりと並んでいる景色は、圧巻でありました。パルマの山と谷の渓谷で、山から降りてくる乾いた冷たい風を窓から入れて、調整するのだとのことです。豚骨付きモモが一本14〜15kgほどあるものが、11kgほどになるそうです。また、仔馬の骨を生ハムの中心部に差し込み、仔馬の骨についた香りで熟成具合がわかるとのことでしたが、私は初めてでしたので、どの香りの状態が良いのか、もうひとつわかりませんでした。
その日の夕食は、輸出が間近になった日本からの視察ということで、パルマハム協会の方が十数人も集まっていただき、大歓待をいただきました。ここでは、青いいちじくにパルマのプロシュートを巻いて出されました。イタリアでは、いちじくと生ハムとで食べることが多いそうです。いちじくのもつ、肉のタンパク質分解消化酵素と、生ハムとの相性がよく、生活の知恵として、自然に食べられているという感じでした。
もうひとつのパルマ名物、パルミジャーノ・レジャーノも堪能いたしました。
そして、今回富士山麓で萬幻豚骨付きモモを塩漬けにして3年間熟成させた生ハムは、パルマとサンダニエーレを併せたようなふくよかな味わいです。どうぞ、この機会にお試しください。
■オンラインストア&店舗で販売開始
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